アジィエンダ・アグリコーラ・フェルゲッティーナ

「頑固な職人」を絵に描いたような性格のロベルト・ガッティ氏。フランチャコルタを代表するワイナリー「ベッラヴィスタ」で長きにわたり栽培・醸造責任者を務めた、正真正銘のベテラン醸造家です。フェルゲッティーナは彼の情熱の下、1991年に創立されたワイナリー。ロベルト・ガッティ氏の哲学である「エレガンスとフィネス」が最大限に表現された味わいは、創立後すぐに評判となります。1997年の「サテン」が権威ある評価誌”ガンベロ・ロッソ”で、いきなり最高評価を獲得。さらに、「最高評価のフランチャコルタの中で一番素晴らしい」「ベスト・バイ・フランチャコルタ」と評価されるなど非常に多くの注目を浴び、名門生産者としての地位を確立しました。

フェルゲッティーナは、自らの理想とするスタイルを実現するために、非常に厳しい基準を設けたワイン造りを実践しています。大きなポイントは二つあります。

一つ目は、使用するブドウの選別です。樹齢が10年以上の樹から収穫された房を丁寧に選別し、実際に使用されるブドウは、なんと全体の収穫量の50％のみ。基準に満たなかったもう半分のブドウは、他の生産者に売却をしています。これは、フェルゲッティーナが持つ、ブドウの果実に対する深いこだわりを表しています。

二つ目は、果実の圧搾です。通常フランチャコルタの規定では、果実の重量の65％まで絞ることを認められています。しかしフェルゲッティーナは、わずか35％に絞って搾汁を行っています。これほどに贅沢な絞り方は、ほかのフランチャコルタの生産者では聞いたことがありません。搾った果汁の色は驚くほどの透明感。既にワインのような輝きを持つ、ブドウの美味しい部分だけを閉じ込めた純粋な果汁です。

フェルゲッティーナでは最初に50％のブドウを売却していますから、結果として収穫されたブドウ全体から得られる果汁の量は、僅かに17.5％と、2割に満たないのです。このこだわりが、フェゲッティーナの「限りなく上品で繊細、澄み切った」味わいを実現しているのです。

フェルゲッティーナの特徴といえば、角ばったボトルの形。 フェルゲッティーナが特許を取得した特殊なピラミッド型のボトルは、見た目の美しさのために作られたものではありません。

この形状はワインを熟成する際、酵母由来の旨みを引き出すためにデザインされています。通常の丸いボトルは、側面が湾曲しているため、澱が一点に集中する形で沈殿してしまいます。フェルゲッティーナのピラミッドボトルは側面が平らな面であるため、澱が広く分散する形で沈殿していきます。 つまり、通常よりもワインと酵母が接触する面積が広くなり、より効率的に旨味を表現することができるのです。