公開
本間チョースケの独断と偏見で巡るイタリアワイン紀行 | vo.3 『フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア』

UNCORKを運営するワイン専門商社 株式会社モトックスには、なんと、あの国内外で人気のワイン漫画のキャラクター 本間長介のモデルとなった社員 本間チョースケ が在籍しています。こちらの特集では、本間チョースケが「素晴らしい品質でもっともっと多くの人に飲んでもらいたい!」と思うおすすめの推しワインをご紹介。実際にワインを1本ずつ飲み、改めて向き合って感じた熱い思いとおすすめポイントを直球勝負でお届けします。
熱く語りすぎて、ちょっと文字数が多いのはご愛敬。お忙しい方は、押さえておきたいポイントを途中ご紹介しているので、そちらをご覧ください!
熱く語りすぎて、ちょっと文字数が多いのはご愛敬。お忙しい方は、押さえておきたいポイントを途中ご紹介しているので、そちらをご覧ください!
本間チョースケ プロフィール
本間 敦(ペンネーム:本間チョースケ)
イタリアワインライター
(社)日本ソムリエ協会公認 シニアソムリエ、SAKE DIPLOMA
渡伊50回以上を数え、ワイナリー200社以上を訪問。執筆活動を通じてイタリアワインの魅力を伝える。
専門誌、一般誌でのコメント掲載多数。また、ワインの普及活動の一環として全国各地で講演活動を精力的に実施。
本間 敦(ペンネーム:本間チョースケ)
イタリアワインライター
(社)日本ソムリエ協会公認 シニアソムリエ、SAKE DIPLOMA
渡伊50回以上を数え、ワイナリー200社以上を訪問。執筆活動を通じてイタリアワインの魅力を伝える。
専門誌、一般誌でのコメント掲載多数。また、ワインの普及活動の一環として全国各地で講演活動を精力的に実施。
今回のテーマは、白ワイン銘醸地 フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州
ワイン好きであれば、一度は耳にしたことがあるだろう。
――『フリウリの白にはずれなし』と。
その言葉通り、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州は言わずと知れた白ワインの銘醸地である。丘陵地帯で造られる高級なものから、平地で造られる安価なものまで、期待を裏切られることはない。特に白ワインにおいては、アルト・アディジェと双璧を為す生産地と言っても良いだろう。
フリウリは、個性派揃いの州でもある。丘陵地のコッリオ D.O.C.のエリア、特にスロヴェニアに国境を接するオスラヴィアには、アンフォラの使用や、独自の解釈による自然派のワインやオレンジを醸す、グラヴネルやラディコンなどが居を構える。それに対して平地で造られるワインはコストパフォーマンスの高さにフォーカスされることが多いが、唯一、高級ワインの産地として知られるのが、今回取り上げたいイソンツォである。
イソンツォとワイン
フリウリ・イソンツォのワインの最大の特徴は、多くの場合、赤も白も単一品種100%で醸される点である(※アロマティック品種を除く)。白ならピノ・グリージョ、ソーヴィニヨン、フリウラーノ、ピノ・ビアンコ。赤ならメルロー、カベルネ、ピノ・ネーロ、そしてスキオペッティーノやレフォスコといった地ブドウなど。
それらの品種の個性を、曖昧にぼかさず、まっすぐ映し出す。 それこそが、フリウリのワイン最大の魅力なのである。
ヴィエ・ディ・ロマンス -唯一無二の個性派-
イソンツォには優秀な生産者が数多く存在する。だが、その中でも双璧と呼ぶべき存在が、リス・ネリスとヴィエ・ディ・ロマンスである。
リス・ネリスは、いわば正統派。透明感に満ち、まるでクリスタルを舐めているかのような硬質な質感を持つ。果実味豊かなフルボディを、豊かな酸とミネラルが美しく縁取る、典型的なフリウリの銘醸である。
それに対してヴィエ・ディ・ロマンスは、まったく異なる。
「唯一無二の個性派」だ。
どっしりとした厚みのある果実味。飲み手を逆に飲み込んでしまうような圧倒的フルボディ。そして、一度飲んだら忘れられない強烈な印象を残す。初めてジョゼッペ・クインタレッリのアマローネを飲んだ時の感動、あるいはテヌータ・ディ・トリノーロを初めて口にした時の衝撃――その記憶にもどこか通じるものがある。
忘れもしない。初めて訪れた際、ヴィエ・ディ・ロマンスのオーナーであるジャンフランコが振る舞ってくれたのは1990年のヴィエ・ディ・ロマンス・シャルドネ。当時すでに10年以上熟成していたはずだが、不覚にも私は「最近のワインですか?」と答えてしまった。イタリアの白ワインは本当に熟成するのだと、心底驚かされた瞬間である(笑)。
通常、ワイナリー訪問は3時間前後が一般的だ。だがジャンフランコの案内は、まず予定通りには終わらない(笑)。畑では地質や土壌の成り立ち、太古の歴史にまで話が及び、セラーでは醸造について熱心に語る。静かな語り口ながら、強い熱量が宿る彼の話に耳を傾けていると、誰もがその真摯な人柄に胸を打たれることだろう。
ワインは“天・地・人”と言われる。 だが、このワイナリーに関しては、とりわけ“人”――ジャンフランコという人物の個性が色濃く反映されている。
フリウリを見渡しても、いやイタリア全土を探しても、このような白ワインは他に存在しない。 まさに唯一無二。ヴィエ・ディ・ロマンスとは、そういうワイナリーなのである。
さて、ここからは実際のワインを一本ずつご紹介していこう。
今回はヴィエ・ディ・ロマンスで人気の国際品種(ハプスブルク家統治時代にもたらされたフランス品種)のワインではなく、あえて『らしい』現地のブドウ品種のワインを紹介したい。
――アンディアーモ(さぁ、いこう!)!
マルヴァージアは豊かな果実味が特徴と言われるが、その典型的なものとは何だろうか?といつも考えてしまう。
何も考えず、キンキンに冷やして気軽に飲む安価なマルヴァージアも悪くない。だが、その対極に存在するのがこのワインである。
口の中で横方向に広がる幅広い豊かな果実味には圧倒されること請け合い。熟れた柑橘、パイナップル、赤いリンゴなどの充実した果実味が広がる。ワインのタイプには陽と陰があると言われるが明らかに陽性の気質であり、悦楽的、飲み手を楽しくさせるワイン。気分が落ち込んだ時に飲むのも良い。
ヴィエ・ディ・ロマンス・スタイルともいうべき、濃厚だけではなく、何杯も飲みたくなる『持続可能な美味しさ』もしっかり体現されている。
今回はヴィエ・ディ・ロマンスで人気の国際品種(ハプスブルク家統治時代にもたらされたフランス品種)のワインではなく、あえて『らしい』現地のブドウ品種のワインを紹介したい。
――アンディアーモ(さぁ、いこう!)!
おすすめワイン その1
ディス・クミエリス マルヴァージア 2023
何も考えず、キンキンに冷やして気軽に飲む安価なマルヴァージアも悪くない。だが、その対極に存在するのがこのワインである。
口の中で横方向に広がる幅広い豊かな果実味には圧倒されること請け合い。熟れた柑橘、パイナップル、赤いリンゴなどの充実した果実味が広がる。ワインのタイプには陽と陰があると言われるが明らかに陽性の気質であり、悦楽的、飲み手を楽しくさせるワイン。気分が落ち込んだ時に飲むのも良い。
ヴィエ・ディ・ロマンス・スタイルともいうべき、濃厚だけではなく、何杯も飲みたくなる『持続可能な美味しさ』もしっかり体現されている。
おすすめワイン その2
ドレエ・フリウラーノ 2023
当初、この品種はトカイ・フリウラーノと呼ばれていたが、ハンガリーのトカイワインの生産者協会からの指摘があり、2008年裁判で和解、以降フリウラーノという呼称となった。一般的にハーヴィなアロマやアーモンドの様な苦みを持つことで知られ、多くはドライなミディアムボディのワインとなる。
ドレエはフリウラーノとしては例外的なフルボディである。透明感があり、輪郭がはっきりした印象で、果実味は十分であるが、お得意の果実爆弾というほどではなく、洗練された印象。ヴィエ・ディ・ロマンスのラインナップにあって、幾分、抑制のきいたスタイリッシュなワイン。明快な柑橘系のアロマで、しなやかでワインが強すぎず、綺麗なタイプで、食事とのペアリングを考えると楽しいワインだと思う。
おすすめワイン その3
デッシミス・ピノ・グリージョ 2023
ウイスキーの様なリッチな樽香と花梨、洋梨、マンゴーや黄桃の強いアロマ。熟れて充実した果実味が口蓋を隅々まで満たす。フルボディで、黒いテイスティンググラスで飲めば赤ワインと言ってしまいそうなほど。アルコールも十分に感じられるが、酸味はフレッシュであるため、飲み疲れしない。ここまでボリューム感のあるラマートワインは他にはない。
充実して厚みのあるワインは赤ワイン顔負けであり、食事の前菜から魚のメインや白身肉のメインであれば十分対応可能。アメリカやドイツへ大量輸出される“気軽なヴァラエタルワイン”としてのピノ・グリージョとは、完全に別世界の存在である。
(いずれも2026年5月試飲)
さて、今回はこのあたりで。
またグラスを片手に、お会いしましょう。Ciao Ciao --チャオチャオ!













