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ブルゴーニュ コート・ド・ボーヌ地区特集

フランス・ブルゴーニュ地方の中でも、世界的に高い評価を受ける銘醸地「コート・ドール」。その南側に広がる「コート・ド・ボーヌ地区」は、ピノ・ノワールで造られるエレガントな赤ワインと、世界最高峰と称されるシャルドネから造られる白ワインを生み出す、多彩な表情を持つ産地として知られています。今回の特集では、コート・ド・ボーヌを代表する村々と、それぞれの土地の個性を映し出すおすすめの生産者をご紹介します。
コート・ド・ボーヌとは
今回ピックアップする「コート・ド・ボーヌ」は、北はラドワ・セリニー、南はマランジュまで南北およそ20kmにわたって広がる産地で、幅わずか数百メートルの丘陵地から、世界に名高い赤ワインと白ワインが生み出されています。ヴォルネイやポマールに代表される気品ある赤、そしてムルソーやモンラッシェ周辺で生まれる偉大な白――この地は、ブルゴーニュを象徴する二つの品種が織りなす多彩な魅力を体現するエリアです。
では、ここは知っておいてほしい!という代表的な村9つをおすすめ生産者とともにご紹介していきます。
ペルナン・ベルジュレス
ペルナン・ヴェルジュレス村にあるグラン・クリュにはコルトンとコルトン・シャルルマーニュ、シャルルマーニュがあります。コルトンは白ワインの生産が中心のコート・ド・ボーヌにおいて唯一赤ワインと白ワインの両方が認められたグラン・クリュですが、ペルナン・ヴェルジュレス村にあるコルトンの畑からは赤ワインのみが生産されています。コルトン・シャルルマーニュは、その名前にフランク王国のカール大帝(シャルルマーニュ)の伝説が込められた、世界最高峰の白ワインの1つとして讃えられる偉大な白ワインです。
グラン・クリュワイン以外でもペルナン・ヴェルジュレスで生まれるワインは、赤・白ともに親しみやすさと奥行きを兼ね備えたスタイルで非常に魅力的です。ピノ・ノワールから造られる赤ワインは果実味と溶け込んだタンニンが調和し、しっかりとしたコクを持ちながらも穏やかな飲み心地。シャルドネから造られる白ワインはミネラル感に富み、花や蜂蜜を思わせる香りが重なります。派手さよりも土地の個性を素直に映し出すその味わいは、コート・ド・ボーヌの魅力を静かに語ってくれる存在です。
ペルナン・ベルジュレスおすすめ生産者
ドメーヌ・ドニ・ペール・エ・フィス
コルトンの丘のグラン・クリュ おすすめワイン
ショレイ・レ・ボーヌ
赤白ともに生産されていますが赤ワインの生産が大半を占めており、栽培面積も赤ワイン110haに対して白ワインはたったの6haしかありません。この村のピノ・ノワールから生み出される赤ワインは、骨格がありながらも親しみやすい柔らかさを併せ持つという特徴があり、しなやかで、鮮やかな果実味とエレガントなタンニンが特徴です。
ショレイ・レ・ボーヌおすすめ生産者
シルヴァン・ロワシェ
ショレイ・レ・ボーヌは赤メインの産地ではありますが、このドメーヌの神髄を特に味わえるのは白ワイン!ブルゴーニュの中では歴史が短いドメーヌながら、ボーヌの白ワインにおいては、すでにトップクラスの風格を漂わせています。
ポマール
ポマールでは赤ワインのみ生産が認められており、白ワインは造られていません。東から南向きの恵まれた日照条件のもと、力強さと品格を備えた赤ワインが生まれます。若いうちは堅牢なタンニンと凝縮した果実味が印象的ですが、時を経ることで角が取れ、なめし革やスパイスを思わせる複雑な香りへと変化していきます。しっかりとしたストラクチャーの中に滑らかな質感を備えたその姿は、まさにコート・ド・ボーヌを象徴する赤ワインのひとつと言えるでしょう。
ポマールおすすめ生産者
ドメーヌ・パラン
力強いスタイルで色合いも深く、しっかりとしたボディを持ちながらも、現在の12代目当主、アンヌ・パラン氏と妹のカトリーヌが持つ女性の感性が活きた柔らかさとエレガンスのあるスタイルに進化しています。
ヴォルネイ
ヴォルネイではピノ・ノワールから造られる赤ワインのみ生産されています。栽培面積の半分をプルミエ・クリュが占めており、上質なワインが生み出されています。また、ヴォルネイのワインは、その繊細さと芳醇なブーケから「最も女性的なブルゴーニュ」と称されることもあります。生き生きとした果実味としなやかな口当たり、凝縮感と複雑さを備えながらも、軽やかに舞うようなその味わい、そして心地よい余韻が特徴で、若いうちから楽しめる親しみやすさも魅力のひとつです。
おすすめ生産者
マーク・ハイスマ
当初は他の生産者に醸造設備を借りていましたが、2016年にはヴージョ村の東にあるジリ・レ・シトー村に自身のワイナリーを設立し、信頼のおける生産者のみと契約、ブドウを購入しワイン造りを行っています。 生産量こそまだ少ないですが質の高いワインを産み出し世界中から高評価を受けている生産者です。
ヴォルネイ本拠地のドメーヌではないですが、彼がヴォルネイでも比較的冷涼な区画の葡萄で造るこちらのワインはエネルギッシュでエレガントな逸品です。
オークセイ・デュレス
A.O.C.オークセイ・デュレスの栽培面積は135haあり、グラン・クリュはなく、プルミエ・クリュも約29ヘクタール、と村名ワインが多く生産されています。また、赤ワインの生産が全体の3分の2を占めています。
オークセイ・デュレスのワインは、赤・白ともに派手さよりもバランスの良さが際立つスタイル。赤はしなやかでシルキーな質感を備え、果実味と穏やかなタンニンが心地よく調和します。白は透明感のあるミネラルとふくらみのある口当たりが魅力で、若いうちは快活に、熟成とともに奥行きを増していきます。
オークセイ・デュレスおすすめ生産者
クロ・デュ・ムーラン・オー・モワーヌ
ムルソー
ニュイ・サン・ジョルジュで一度姿を消した固い石灰岩層がこの地で再び現れ、ここムルソーから南はシャルドネが主役となるエリアへと移り変わっていきます。このミネラル感が豊富なコンブラシアンという石灰岩土壌がシャルドネの栽培に適しており、骨格のしっかりとした複雑な味わいのワインを生みだします。
村で現在生産されているワインのほとんどが白、と白ワインのイメージが強いムルソー村ですが、昔は赤もたくさん造っていたようで、その名残を村名に見ることができます。「ムルソー」の由来は「ネズミのひとっ飛び」と言われており、それはネズミがジャンプで移動できるくらい赤と白の畑が近かったから、とだそうです。(諸説あり)
ムルソーの白ワインは、リッチでオイリーな質感と、張りのある酸が見事に調和したスタイルが特徴です。若いうちはナッツや花、ミネラルの香りが生き生きと立ち上がり、熟成を経ることでバターや蜂蜜を思わせる複雑さが加わります。
ムルソーおすすめ生産者
ラトゥール・ジロー
ムルソーおすすめ生産者
ジョバール・モレ
ピュリニー・モンラッシェ
モンラッシェと名前が付くワインが複数ありますが、ここで少し整理しておきましょう。まずはグラン・クリュは4つありますが、トップ中のトップがなにも付かない「モンラッシェ」。それに次ぐのが「シュヴァリエ・モンラッシェ」、その後に「バタール・モンラッシェ」「ビアンヴィニュー・モンラッシェ」が続きます。そしてグラン・クリュの北側の急斜面にある17個ある個性溢れる逸品揃いのプルミエ・クリュ、村名ワインがあります。
ムルソーの白ワインがリッチで柔らかい印象なのに対し、鍛えぬいた鋼のような硬さとよく例えられるピュリニー・モンラッシェの白ワインは、気品と純度の高さが際立つスタイルが特徴です。ミネラル感に支えられたメリハリのある味わいに、ナッツや花、柑橘を思わせる香りが重なり、リッチでありながら引き締まって凛とした印象を持つワインです。
ピュリニー・モンラッシェおすすめワイン
シャサーニュ・モンラッシェ
また、味わいにおいても2つの村の個性ははっきりと違っているのも面白いところ。ピュリニーが鍛え抜かれた鋼のような硬さと引き締まりがあるのに対し、シャサーニュは肉付きがよく豊満で柔らかな印象があり、オイリーな質感と深いミネラル感が長い余韻へと続くスタイルです。一方、赤ワインは凝縮感のある果実味と存在感のあるタンニンを備え、熟成によって驚くほど複雑な構造へと変化していきます。
シャサーニュ・モンラッシェおすすめワイン
サントネイ
少量ですが生産されている白ワインは、隣接するシャサーニュ・モンラッシェの片鱗も感じられ、豊かなミネラル感とナッツのような香ばしさがあるバランスの良いスタイル。赤はしなやかな骨格と上品なタンニンを備え、凝縮感がありながらも繊細な質感を保ちます。
コート・ドールの産地の中では地味目な村ではありますが、その分価格が安いのも魅力の一つ。この村を拠点にしながら他の村の畑でワインを造ってる生産者のワインがお手頃価格で探すことができる場合もあり、次にご紹介するドメーヌ・ボルジョはまさにその典型ドメーヌと言えるでしょう。
サントネイおすすめ生産者
ドメーヌ・ボルジョ









