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ワイングラス

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ザ・ジャンシス・ロビンソン ワイングラスコレクション

赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインなど、あらゆる種類のワインがたった1脚で楽しめる万能ワイングラス。英国王室のセラーを管理するワインのスペシャリスト、ジャ ンシス・ロビンソンが監修したグラスシリーズ。

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ソムリエがワインペアリングを解説!ワインと料理の合わせ方の基本ルールと具体例をご紹介。

ソムリエがワインペアリングを解説!ワインと料理の合わせ方の基本ルールと具体例をご紹介。
テーブルの上にフルーツ、ワイングラス、ロゼワインが置かれている
1915年創業、世界24か国からワインを輸入しているワインインポーターMottox モトックスが運営するECサイト「UNCORK アンコルク」です。

当店では、ソムリエ資格を持つスタッフが試食をして実際にワインと相性の良かった選りすぐりのワインのおつまみを販売しています。

今回のコラムでは、私達スタッフも実践している「ワインペアリングの基本ルール」を具体例と共にご紹介します。





1.「マリアージュ ワインと料理の美味しい相性」とは何か?とはなにか

フルーツの横に置いてあるワイングラスにロゼワインが注がれている
マリアージュ、という言葉をご存じでしょうか。

フランス語で「結婚」という意味の言葉ですが、ワインの世界においては「ワインとワイン以外のもの、2つの異なるものが組み合わさることで新しいものが生まれる」という意味があります。

一般的にはワインと料理の組み合わせに使われることが多いですが、「ワインと音楽のマリアージュ」など、料理以外の様々な芸術表現にも使われています。

ワイン単体で飲んでももちろん美味しい、でもワインと一緒に食べることで、口の中で複雑に要素が絡み合い、単体では味わえなかった奥行や新しい風味が生まれる。そんな「美味しい相性」がマリアージュです。


2.マリアージュとペアリングの違いとは?

スパークリングワインとお皿がテーブルの上にのっている
では、今回のテーマである「ワインペアリング」とは何でしょうか?

「ペアリング」とは、「マリアージュするワインと料理を組み合わせること」そのものを指します。つまり、ワインと料理のペアリングがうまくいくとマリアージュさせることが出来る、というわけです。

レストランによっては「ペアリングコース」というものを提供するところもあります。これはコース料理1品1品に最もマリアージュするワイン(ワイン以外のドリンクの時もあります)を店側があらかじめ決め、料理と一緒に提供する、というものです。

プロ、そしてその料理を最も熟知している人が最も相性のよいものを選んでくれているので、ワイン初心者でも安心にマリアージュを体験することができます。


3.ペアリングの基本ルールと具体例

ではワインペアリングはソムリエ資格を持っている人でないと出来ない技なのでしょうか?いえいえ、そんなことはありません。

基本的なルールがあり、それに沿ってペアリングさせれば誰でもマリアージュを簡単に、そしておうちでも楽しむことができます。

まずはこの基本ルールから始めていただき、慣れてきたら「こんなのはどうだろう?」と色々チャレンジしていくと自然とペアリング能力が身についてきます。

そして、ペアリングには基本ルールはあっても、「こうしてはいけない」という間違いはありません。あくまで、ガイドラインですので、気楽に受け取ってください。


では、基本ルールをご説明しましょう。


▷ 色を合わせる

カラーチャートの上にワインボトルがのっている
ワインの香りの表現は難しくとも、色は誰でも目で見て判断することが出来る要素です。今回は基本ルールなので、まずは白ワイン、赤ワイン、ロゼワインの3つで解説します。


今までは「魚は白ワイン、肉は赤ワイン」という定説がありました。ですが、魚、と一口に言ってもヒラメやタラのような白身魚もあれば、カツオのような赤身のお魚もあります。

例えばブリやマグロのカマにある血合いなどは、炭火で焼くと牛肉の赤身ステーキのような風味があります。

ここまで違うのですから「魚」という同じグループであっても合うワインが違うのは想像し易いですよね?


ということで、お肉やお魚のメイン料理にワインをペアリングさせる時はその食材の色で、ワインの種類を決めましょう。


▷ お魚に合わせるワイン 具体例
魚の種類 ワインのタイプ
白身の魚 ヒラメ、タイ、スズキ、タラなど 白ワイン
赤身の魚 マグロ、カツオ、ブリなど 赤ワイン
オレンジ色の魚 サケ、マスなど ロゼワイン


※青魚(イワシ、サンマなど)にワインを合わせる時は、軽めの赤ワインがおすすめです。

赤ワインを赤身のお魚に合わせて相性が良いのは、魚肉に多く含まれる「血・鉄分」を赤ワインの果実の凝縮感、若干のタンニンがマスキングしてくれるからです。という訳で、同じく血合いの多い「青魚には赤ワイン」が合います。



▷ お肉に合わせるワイン 具体例
肉の種類 ワインのタイプ
白身の肉 鶏、豚、ウサギなど 白ワイン
赤身の肉 牛、羊、鴨、鹿など 赤ワイン


また、お料理自体の色、特にソースの色とワインの色を合わせることも出来ます。


▷ ソースの色とワインのペアリング 具体的な例
ソースの種類 ワインのタイプ
白いソース クリームソース、オイルソースなど 白ワイン
赤いソース フレッシュなトマトソースなど ロゼ、軽めの赤ワイン
茶色いソース デミグラスソース、マデイラソースなど 重めの赤ワイン



ソースの色が濃くなるということは、それだけ食材の旨味が凝縮して濃くなっているということです。

例えば、フレッシュなトマトのソースと軽めの赤ワインはとても相性が良いです。
では同じ軽めの赤ワインを、トマトや牛肉を入れて何日も煮込んで作ったビーフシチューに合わせるとどうなるでしょうか?

ビーフシチューの味わいのパンチとボリューム、風味の複雑さが勝ってしまい、ワインの味わいが霞んでしまうということが起こります。(後ほど説明する「味 ボリュームを合わせる」でも説明します。)

こういった凝縮した濃厚なソースのお料理には、骨格があり凝縮感のあるフルボディの赤ワインを合わせてあげると"料理とワインのバランス"が良くなります。

▷ 産地を合わせる

地図の上にワインボトル
料理の色やソースの味わいとか難しいことは分からない!もっと簡単な方法ないの?という方におすすめなのが、この「産地を合わせる」やり方です。というのも、産地は感覚ではなく事実ですので、調べたら簡単に答えが見つかるからです。

例えば、トマトソースパスタを食べる時にイタリアのワインを合わせる。これも立派なワインペアリングです。まずこれが出来たら、第一関門突破です。


では、もう一歩踏み込んでみましょう。


イタリア料理、といえど、南北に長く国家統一されてからまだ歴史が浅いイタリアは、その地域・州によって食文化も様々です。

私達がイタリア料理、といってすぐ頭に浮かべるトマトや乾燥パスタをよく食しているのは、イタリアの南の地域です。ということで、トマトの産地であるプーリア州やシチリアのワインを合わせてみましょう。そのフレッシュさと凝縮した果実味が、同じく完熟したトマトの酸味と甘みによく合うことでしょう。



さらに上級のペアリングに進みます。


トマト、グアンチャーレ(豚頬肉の塩漬け)、そして羊乳のチーズであるペコリーノ・ロマーノを使って作るパスタ「アマトリチャーナ」は、イタリアの首都ローマの北東約100kmに位置する山間の町アマトリーチェ生まれの料理。ローマを代表するパスタ料理であり、イタリアの農業省によってローマのあるラツィオ州の伝統食品に認定されています。
皿にのったパスタアマトリチャーナがテーブルに載っている
このアマトリチャーナに、同じラツィオ州生まれの白ワイン「フラスカーティ」を合わせると、これぞ「産地を合わせる」ペアリング!

産地が同じものを合わせるという事は、そこ生まれ育つ野菜やフルーツにはどことなく似た風味があったり(今回のペアリングの場合、温暖な気候の中でトマトもブドウも完熟してフルーティさがある)、その地域の人たちの趣向に合い長年愛されてきたというバックストーリーがあったり、とトータルをペアリングする、ということなのです。



今回は具体例に1つの郷土料理を挙げましたが、料理全体、でなくても、メインの食材となるものの産地を合わせるだけでも素敵なペアリングになります。

例えば、スペイン産の生ハム「ハモン・セラーノ」をのせたサラダスペインのスパークリングワインであるカバを合わせる、といった感じです。

このように、まずは国、そしてエリア、最後にもっと絞り込んだ産地、といったマクロからミクロなペアリングが楽しめるのも、この「産地合わせペアリング」の醍醐味です。

▷ 香りを合わせる

オレンジとミントと白ワインがテーブルにのっている
次に、ワインとお料理の香りを合わせるペアリングのご紹介です。といっても、牛肉の香りがするワイン探しましょう、ということではありません。


ワインはその味わいや香りをブドウ以外のフルーツで表現することが多いです。 ワインショップなどでも商品説明に「レモンのような爽やかなアロマ」「フレッシュハーブのニュアンス」などと書かれているのを見たことがあるでしょう。 それをヒントに、 ワインの香りそのもの、またはその香りと相性がよさそうと連想されるもの、を料理側に加えてあげると素敵なペアリングが出来上がります。

料理の香りとしてペアリングに使うものは主にこんなものがあります。

①ハーブ、スパイス、ゼスト(柑橘の皮)など、お料理の中に加えられたものの香り
②スモーク香
③香ばしさ

では1つずつ見ていきましょう。


①ハーブ、スパイス、ゼスト(柑橘の皮)など、お料理の中に加えられたものの香り

赤ワインとスパイスがテーブルルにのっている
新鮮なハーブは噛むと爽やかな香りがします。 このハーブの清涼感とは、同じく爽やかな香りがするワイン、例えばソーヴィニヨン・ブラン種の白ワインが良く合います。

また、ブラックペッパーやクローブなど乾燥させたスパイスの刺激のある香りは、 同じくスパイシーな香りが特徴のワイン(例えば、シラー種の赤ワインや、ゲヴェルツトラミネール種の白ワインなど)との相性がとても良いです。


イメージが湧きやすいように具体例を1つ。


レモンとミントはカクテルやジュースなどにもよく一緒に使われるように、相性が良い組み合わせです。ではレモンやグレープフルーツのような柑橘の風味がある爽やかな白ワイン に、ミントやバジルがたくさん巻き込まれた生春巻きを合わせてみましょう。

口で合わせた時に、ワインの柑橘の風味とミントやバジルなどのフレッシュなハーブがミックスされてた爽やかなペアリングの完成です。

②香ばしさ

ワイン木樽の内部を直火で焼いている
ワインの中には、その製造過程の1つ「熟成」(時には「発酵」も)を木樽 の中で行うものがあります。ワインと木樽が直接触れ合うので、木の樽の風味がワインの味わいにダイレクトに影響を与えます。

また木樽の中には、素材の木を火で炙る「トースト」作業を施した木樽もあり、このトーストの程度、焼き加減によって香りのバリエーションが生まれます。

一番弱いトーストではそこまでワインの香り自体に大きく影響を及ぼしませんが、ミディアムトーストになると、その木樽で熟成したワインの香りの中に「焼いたパン」や「クッキーなどの焼き菓子」「ナッツ」のような香ばしさを感じます。

こういったワインには、料理にも香ばしさをプラスしてあげると同調し、とても相性が良いです。


例えば皮目をパリッと香ばしく焼き上げたお魚のグリル、や、ナッツを粗く刻んだものをアクセントにしているサラダ、また炒りゴマを擦ったものをたっぷり使ったお料理に、この香ばしいトースト香のあるワインを合わせてみて下さい。

ワインを選ぶときは、ワイン名に「オーク樽熟成」などと入っていてわかりやすいものもありますが、外見からはわからないこともあるので「ワインの説明文を読む」、「ワインショップの方に直接聞く」、などをすると良いでしょう。

③スモーク香

木が燻されて煙がもくもくと立ち込めている様子
先ほど説明した「トースト加減」がかなり強い木樽で熟成したワインには、焦げ感がある、スモーキーな香りが見つかります。


スモーキーな風味があるワインと燻された食材とは同じ要素があるため、とても相性が良いです。スモーキーな風味がある食材の具体例としては、ソーセージやベーコンなど燻製したもの、そして秋田の代表的な漬物である「いぶりがっこ」などがあります。

「いぶりがっこ」は大根を煙で燻したもので作った漬物のことで、かなり強いスモーキーな香りがあり、フルボディの赤ワインにぴったりです。いぶりがっこは塩気も強いですがザラメ砂糖を使っていることでしっかりと甘味もあり、ワインとはとても相性が良い組み合わせです。

いぶりがっことチーズを一緒にオイル漬けした、ワインによく合うおつまみもUNCORKでは取り扱っておりますので、ぜひお試しください。

▷ 温度を合わせる

ワインクーラーで白ワインが
冷たい料理にはキリっと冷えたワインを、そして温かい料理には冷たくないワインを合わせる、というとてもシンプルなペアリングです。温度を合わせてあげることで、口の中で違和感無く馴染みます。

ただ、ここでいう「冷たくないワイン」というのは、=赤ワイン、ということではありません。白ワインでも、ふくよかなワインはあまりキンキンに冷やしすぎてしまうと引き締まりすぎて味わいがやせ細ってしまったりするので、冷やしすぎない方がその魅力を存分に味わうことができます。

例えば、爽やかですっきりとしたタイプの白ワインは、きりっと冷やして楽しみたいものです。それにカプレーゼ(トマト、モッツアレラチーズ、バジルのサラダ)を合わせると、冷たいもの同士 、とても爽やかでよい組み合わせとなります。



次に、同じ白ワインを熱々のグラタンを合わせてみます。

合わせる時は、温度を意識して先ほどよりも高めの温度にします。温度が上がるとワインの香りや甘味、ボリュームも上がるので、まるでそのワインがクリームソースの一部のように馴染んで一体感が出ます。これが温度帯のマジックです。

キンキンに冷えた白ワインを合わせても悪くはないのですが、水を飲んでいる様に料理の横をすっと通り過ぎていくような印象を受けます。



コクのあるビーフシチューに、キリっと冷えたワインを合わせますか?やっぱり冷えすぎていないワインを選びますよね?

コクのあるビーフシチューにはお料理のパンチに負けない骨格とボリューム感のある重厚なワインが合いますし、そしてそういったワインは冷やしすぎるとその風味を堪能することができません。



※熱々の揚げたてフリットや天ぷらと冷えたスパークリングワイン、など温度帯が違っても相性のよいものもありますので、1つのルールがペアリングを決める絶対要素ではないことをお忘れなく。あくまでご紹介しているルールは、1つのペアリングの切り口です。

▷ 味を合わせる

赤ワインとビーフシチューをかけたオムライスがテーブルにのっている
さて、最後は「味を合わせる」ペアリングです。最後にご紹介したのは、こちら以外はワインのコルクを開ける前でもワインの説明さえあれば判断できるものであり、こちらだけは実際にワインの味わいを知らないと出来ないものだからです。

もちろん、そのワインそのものの味を知っている必要はありません。ですが、ワインの説明をみて、品種や生産地域からある程度「こういう味の傾向だな」と想像できている必要があります。



例えば、フランスのブルゴーニュ地方 ピノ・ノワール種やガメイ種で造られる若い赤ワインは酸味が強く、どことなく梅っぽい風味があります。なので、お料理の中にも梅肉を少し加えてあげると相性が良くなります。これを同じ要素を結び付ける「同調のペアリング」と言います。

反対に、相反する要素を合わせるペアリングもあります。塩気が強いゴルゴンゾーラチーズに甘口のデザートワインを合わせると、塩気と甘味が混ざり合いなんとも言えない絶妙で後を引く味わいが生まれます。

グリーンカレーのような辛い料理に、マスカットで出来たイタリアの甘口スパークリングワインを合わせると、ワインが料理の辛味を抑えてくれて美味しくなります。これも相反する2つの要素のバランスが一緒に楽しむことで整うパターンのペアリングで「中和のペアリング」と言います。



また、「味を合わせるペアリング」にもう1つある大事なポイントは「ボリュームを合わせる」ということです。

ボリュームとは口に含んだ時のインパクトと強さのことを指しており、ワインと料理、それぞれのボリュームを同じ程度に合わせてあげることが必要です。


▷ ボリュームを合わせるペアリング 具体的な例
料理 ワインのタイプ
軽さを合わせる サラダ、素材を焼いただけ、蒸しただけのシンプルなもの、工程の少ない料理 複雑すぎず、軽めのもの
重さを合わせる 煮込み料理、工程や味わいが複雑な料理 ボリューム大、樽熟成したワイン



4.まとめ

いかがだったでしょうか?

「なんだか難しそうで私には無理・・・」と思った方。あなたはグリーンサラダや蒸した鶏むね肉に、フランス ボルドー産の重厚な赤ワインを合わせますか? なんだかちょっとバランスが悪そうで、ワインの味の方が勝ってしまいそう・・・と、ちょっと違和感がありますよね?

今まで書いてきたことは「ペアリングのルール」というとなんだか複雑に思えますが、実際は自然にみなさんが生活の中で選び取ってきていることがほとんどです。そして、ワインと料理の合わせ方には100%の正解なんてものもありません。

こちらのコラムは、初めて飲むワインや初めて食べるお料理のペアリングを考える時のひとつのアイデア、として覚えていただけたらと思います。そして自由にいろいろな組み合わせを試してみて下さいね。

いぶりがっことチーズのオイル漬 100g 瓶
秋田が誇る「いぶりがっこ」とチーズをしょっつるが入ったオイルで漬けこみました。

PROFILE

S.Tsujimura

UNCORKスタッフ。夫と2人の子供と4人暮らし。お酒は弱いが、お酒&美味しいものを人と囲む空間が大好き。家で食べるごはんが大好きで、平日はノンアルコールワイン、週末にワインを一緒に楽しんでいます。J.S.Aソムリエ。